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木綿以前の事 岩波文庫

柳田国男(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/
発売年月日 2002/04/15
JAN 9784003313831

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木綿以前の事

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2022/10/02

【木綿以前の事+何を着ていたか】要約 高知土佐から徳島阿波へかけての山村部には現地でタフと呼ばれる布地があり、それはタク(栲)の訛りかと思われる。栲(たく)布に就いてはカウゾ(楮)やフヂ(藤)を用いたと文献史料にもある。カヂ(梶。書中ではカヂに穀の字を宛てる)はカウゾの一種とされ...

【木綿以前の事+何を着ていたか】要約 高知土佐から徳島阿波へかけての山村部には現地でタフと呼ばれる布地があり、それはタク(栲)の訛りかと思われる。栲(たく)布に就いてはカウゾ(楮)やフヂ(藤)を用いたと文献史料にもある。カヂ(梶。書中ではカヂに穀の字を宛てる)はカウゾの一種とされる。古くカヂを普及させた天日鷲命の本国は阿波(徳島)であり、天日鷲命は東国経営の本拠として安房(千葉)の結城にカヂを植栽した。安房は阿波の古代植民地とされ、その関係で同音の地名となったとも言われる。カヂは古くユフとも謂われ、結城のユフは正しくカヂ=ユフを指す。由布(大分)などの東西の地名に残るユフは古くに衣料としてのカヂ=ユフを栽培させたことの名残であり、中央において庶民の常服が麻衣に絞られる以前にはユフ = カヂ ≒ カウゾを用いた衣料もあったようである。タフはまたフヂをも原料とするが、古くフヂは必ずしも紫の花を垂れる一種に限らず、カツラ(葛)類全般をそう呼んだ。カヂ・フヂのほかには、信濃の語源であろうシナという衣料があり、これはしなやかで強靭なことに由るかも知れない。同地にはさらにイラと呼ばれる衣料もあり、イラクサ(蕁麻)やカラムシ(苧麻)とも呼ばれる。ムシはタクよりも柔らかいものであったようで、タクが如何にがさがさしたものであったかが判る。 やがて庶民の衣料はアサに取って代られ(或いはアサ中心となり)、貴人公子など一部階級に限ってはキヌ(絹)が用いられた。モメンの栽培生産が盛んになったのは高が鎌倉・室町以降のことである。モメンはそれまでのアサなどに代表されるがさがさした肌触りとは違って軽くふくよかで、且つ色染めが容易であったことから人々を容姿の面で美しく変えた。しかしそれと同時に、綾織の生地が肌と外気とを遮断するため汗が外へ逃げず、さらに繊維から出る塵によって人々の肺臓に被害を齎すこととなる。木綿は寒地では育たぬため、東北では麻が長く用いられ、明治期頃でも麻衣が着られていた。木綿は暖かいが吸水性が強いため、東北では麻が雨外套の代替品として古くより用いられた。 ↓ アサは朝鮮語sam(麻)と同源。古くはソと呼ばれ、複合語に僅かに貽る。 カヂは和紙の原料とされることから別名カミノキ(紙の木)とも呼ばれ、葉は墨が良く載ることから神事と関係がふかい。 カウゾは「紙麻(かみそ)」の転で、ヒメコウゾとカヂ(梶)の雑種とされる。楮の字は本来カヂ(梶)の一種を指す。 ユフはカウゾ・カヂの皮の繊維から作られる糸で、幣として榊につけた。多く「木綿」と宛ててユフと訓み、モメンは古く「文綿」や「毛綿」と書いた。「齋(ユ)」、「結ふ(標を建て立ち入りを禁じる意)」、「忌々し(ゆゆし)」と同根。 シナは「結ぶ、縛る」意のアイヌ語。 ムシは朝鮮語mosi(苧)と同源。 【囲炉俚談】要約 漢語「炉」が日本に入ってきたのは「囲炉裡」という表記の出現より古いが、漢語「炉」の伝来以前より火の使用はあったはずで、「ジロ」と「ホド」とが挙げられる。ジロは恐らく「代(しろ)」のことか、或いはそれと関係があり、ホドは「火処」の意である(ホはヒの古形)。どちらも現代では単独では用いられず、それぞれ「ヒジロ」や「ヒホド」(ホの火を指していることが忘れられヒが加えられた)、或いはその訛った形が使われる。ほかには八丈島に「カナド」という言い方もあり、これは薪を指すカナギと関係があると思われる。ホド(ヒホド)とカナドとは神により創造された炉を指す、より古い言い方の可能性がある。ホドがそのままの形で関西・中部に伝わった例は知らないが、「クド」(オクドサンのクド)はホドとともに同一語からの分化かと思われる。九州の一部にある「ヒドコ」や「ヘッツヒ」と合わせ、これらの語は築き固めた立体の竈を指し、覆いのないそれまでのジロやホドと区別を図ったものであろう。ただしそれらはあくまでも転用であり、新語ではない。ここで新たにジロやホドに名称を与え直す流れとなった。「イロリ」という言葉については、火そのものを指すジルやホドに対して火を囲む縁を「ヰル(居る)ヰ(位)」や「ヰルブチ(縁)とでも呼んだのが、発音のややこしさ故に段々と訛り、「ユリ」などと省略され、原義も忘れられ、「ユリ」がとうとう炉そのものを指すと勘違いされた結果、「囲炉裡」と宛てられたものであろう。

Posted by ブクログ

2016/03/06

食物、衣服、道具、そしてそれらの呼び名から、今では失われた近世以前の生活を紐解く。柳田の時代まででも多くの習慣・風習が失われ、新たな習慣・風習に取って代わられた。しかしそれは嘆くべき喪失ではなく人々の工夫の成果であり、そうした進歩に資することこそが学問の役割と説く。 面白いのは、...

食物、衣服、道具、そしてそれらの呼び名から、今では失われた近世以前の生活を紐解く。柳田の時代まででも多くの習慣・風習が失われ、新たな習慣・風習に取って代わられた。しかしそれは嘆くべき喪失ではなく人々の工夫の成果であり、そうした進歩に資することこそが学問の役割と説く。 面白いのは、柳田が「今日では」と紹介する当時の生活様式それ自体、多くが現代ではすでに失われているということ。実際、身の回りを見渡して100年前、200年前の日本にもあったであろうものを探すほうが難しいんじゃないか。たった1世紀前の事でも僕らにはほとんど想像する事ができないわけで、そう考えると人類の進歩というか変化というかは恐ろしいものがある。

Posted by ブクログ

2015/06/05

遠野物語集で有名な柳田国男の、日本人の生活様式の変化について書いたエッセイ集。 日本の伝統的な文化だと思われているが、実はどれも結構新しいんだぜ?といった内容。 たとえば、(木綿の)和服、畳、晩酌、女性の奥ゆかしさ、等など、目からウロコが落ちる記事ばかり。 なお、この本が書...

遠野物語集で有名な柳田国男の、日本人の生活様式の変化について書いたエッセイ集。 日本の伝統的な文化だと思われているが、実はどれも結構新しいんだぜ?といった内容。 たとえば、(木綿の)和服、畳、晩酌、女性の奥ゆかしさ、等など、目からウロコが落ちる記事ばかり。 なお、この本が書かれたのは明治から昭和初期。21世紀の今は「木綿以前」の暮らしのは人は皆無ですが、本書には田舎に「木綿以前」が多少残っているとの記述がちらほら。当時の時代背景を感じる楽しみもあります。

Posted by ブクログ

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