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或阿呆の一生 岩波文芸書初版本復刻シリーズ

芥川龍之介(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/
発売年月日 2001/12/06
JAN 9784000091466

或阿呆の一生

¥2,090

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2012/09/02

架空線は不相変鋭い火花を放つてゐた。彼は人生を見渡しても、何も特に欲しいものはなかつた。が、この紫色の火花だけは、凄まじい空中の火花だけは命と取り換へてもつかまへたかつた。(p.11) 彼は何か鼠の仔に近い赤児の匂を感じながら、しみじみかう思はずにはゐられなかつた。「何の為にこ...

架空線は不相変鋭い火花を放つてゐた。彼は人生を見渡しても、何も特に欲しいものはなかつた。が、この紫色の火花だけは、凄まじい空中の火花だけは命と取り換へてもつかまへたかつた。(p.11) 彼は何か鼠の仔に近い赤児の匂を感じながら、しみじみかう思はずにはゐられなかつた。「何の為にこいつも生まれて来たのだらう?この娑婆苦の充ち満ちた世界へ。何の為に又こいつも己のやうなものを父にする運命を荷つたのだらう?」(p.23) 「死にたがつていらつしやるのですつてね。」 「ええ。いえ、死にたがつてゐるよりも生きることに飽きてゐるのです。」 彼等はかう云ふ問答から一しよに死ぬことを約束した。 「プラトニツク・スウイサイドですね。」 「ダブル・プラトニツク・スウイサイド。」 彼は彼自身の落ち着いてゐるのを不思議に思はずにはゐられなかつた。(p.42)

Posted by ブクログ

2010/06/28

小説の前書きって、筆者のエゴが偽善に優しく包まれている気がして大好きです。この作品に限って言えば、その姿勢が最後まで一貫していてとても気持ちが良かったなあ。捻くれていると言うよりは単純に根性が曲がっているという安心感。 特に好きなのは6.病7.結婚16.枕31.大地震33.英雄...

小説の前書きって、筆者のエゴが偽善に優しく包まれている気がして大好きです。この作品に限って言えば、その姿勢が最後まで一貫していてとても気持ちが良かったなあ。捻くれていると言うよりは単純に根性が曲がっているという安心感。 特に好きなのは6.病7.結婚16.枕31.大地震33.英雄かな。23~30も勿論大変興奮するけどさ、女ですから。全体を通してポエティックなのに刺すようにぶすりと鈍く、気がつけばずぶずぶと抉られていく感覚に心からうっとり。 「彼の作品の訴へるものは彼に近い生涯を送った彼に近い人々の外にある筈は無い」って言い出したのには盛大に笑わせていただいた。なんて汎用性の高い素敵な言い訳言い逃れ。もうこれだから芥川さんだいすきよ。

Posted by ブクログ

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