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“戦前"の思考
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“戦前"の思考
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商品レビュー
3.8
7件のお客様レビュー
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「日本近代文学の起源」よりも詳しく言文一致のことが書いてある。日本には、習合状態、あるいは双系的なものを一元化しないような装置がある。これは外部からの強制に対して抵抗するという素地がないとも言える。筆者が注目するのが漢字仮名交用という装置である。いくら外部から概念が入ってきても、てにをはで繋げるだけで、ガイネンガ内面化されない。したがって、言文一致運動は西洋の概念を漢文に換えたが、内面化はされなかった。 ただし、例外が一つあって、それは戦後の日本国憲法だと言っている。 扱うテーマは広いが、自由と平等の矛盾についても。自由と平等の矛盾が露呈するとき、それを友愛が想像的に揚棄する。ファシズムも共産主義も、創造的なもの・美学である。では、未来の進歩が期待できなくなる時代に、何がとられるか?共産主義はもはや支持を得られない。 したがって、ファシズムが出てくる。
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[ 内容 ] 「共産主義が終わった」「五五年体制が終わった」―。 二〇世紀最後の十年は「終わり」が強調された時代だった。 そして、それは戦前の風景に酷似している。 あの戦前を反復しないためにこそ、自身を“戦前”において思索することの必要性を説く著者が、明晰な論理展開で繰り広げる思...
[ 内容 ] 「共産主義が終わった」「五五年体制が終わった」―。 二〇世紀最後の十年は「終わり」が強調された時代だった。 そして、それは戦前の風景に酷似している。 あの戦前を反復しないためにこそ、自身を“戦前”において思索することの必要性を説く著者が、明晰な論理展開で繰り広げる思考実験。 ネーション=ステートを超克する「希望の原理」とは何か。 [ 目次 ] 帝国とネーション 議会制の問題 自由・平等・友愛 近代の超克 文字論 双系制をめぐって 自主的憲法について 韓国と日本の文学 湾岸戦時下の文学者 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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現実的なインタレストを捨てざるを得ないのは死が不可避的なとき。「末期の眼」に映った風景は美しい。なぜならそこには生きる可能性がある限り生じるようなインタレストがないから。「美学」は現実的な矛盾を現実的に乗り越えることができないところにおいて支配的になる。あらゆる矛盾が止揚されてし...
現実的なインタレストを捨てざるを得ないのは死が不可避的なとき。「末期の眼」に映った風景は美しい。なぜならそこには生きる可能性がある限り生じるようなインタレストがないから。「美学」は現実的な矛盾を現実的に乗り越えることができないところにおいて支配的になる。あらゆる矛盾が止揚されてしまう西田幾多郎の「絶対矛盾的自己同一性」も「美学」的なものである。 大東亜戦争は、理屈によって解釈されるのではなく、「運命」として参入することによってのみ「美」となる。
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