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白鯨(下)
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白鯨(下)
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
エイハブ船長が最後まで好きになれなかった。 特に航海に大事な四分儀を壊してしまったときに、 なんて酷い船長だと感じた。 エイハブ船長が一方的に復讐心を燃やしている相手である白鯨には同情してしまう。 シンプルな文章が好みの自分としては、ゴテゴテに飾り立てた文章は読みづらく辛抱して完...
エイハブ船長が最後まで好きになれなかった。 特に航海に大事な四分儀を壊してしまったときに、 なんて酷い船長だと感じた。 エイハブ船長が一方的に復讐心を燃やしている相手である白鯨には同情してしまう。 シンプルな文章が好みの自分としては、ゴテゴテに飾り立てた文章は読みづらく辛抱して完読にいたった。
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エイハブ船長という、怨念のかたまりのような人物の下に数多くの人々は働くわけであるが、そもそも仕事の目的とは何なのかを問う話である。船のオーナーと船長の関係について、海に出た船のうえにオーナーはいないのだからオーナーよりもこの船を操っているのはこの私、この船の主はむしろこの私なのだ...
エイハブ船長という、怨念のかたまりのような人物の下に数多くの人々は働くわけであるが、そもそも仕事の目的とは何なのかを問う話である。船のオーナーと船長の関係について、海に出た船のうえにオーナーはいないのだからオーナーよりもこの船を操っているのはこの私、この船の主はむしろこの私なのだとエイハブは言う。オーナーとしては本来の目的は、捕鯨であり鯨をとってもらい稼ぐことなのだ。だがエイハブはかつて自分の脚をかじりとったあの白鯨のみを目的として追いかける。したがって他の鯨などどうでもいいのだった。この本の中の捕鯨、鯨、捕鯨船、の詳細な説明を裏切るかのように、エイハブは命令し賞金をだしてまで自分の目的のみを果たそうとする。船長に選ばれたらそりゃあもうこっちのもんだみたいなところだろう。その災難にまきこまれ最後に船は白鯨によってばらばらにされる。それでも語り手はなんとか助かるのであった。
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アメリカ文学を代表する一作として、そして世界十大文学の一つとして数え上げられる本作を、何の予備知識もなく読んだらどうなるでしょうか。 おそらく、「意味プー」であろうことを容易に想像できます。 映画『ジョーズ』の元型であるモービィ・ディックはあまり登場しないし、やたらと書誌学的...
アメリカ文学を代表する一作として、そして世界十大文学の一つとして数え上げられる本作を、何の予備知識もなく読んだらどうなるでしょうか。 おそらく、「意味プー」であろうことを容易に想像できます。 映画『ジョーズ』の元型であるモービィ・ディックはあまり登場しないし、やたらと書誌学的な知識や情報に基づいて語るイシュメールは延々とクジラについて瞑想するし・・・。とにかく「小説」や「物語」として読もうとすると、苦痛そのものでしょう。 しかし考えてみると、著作権についても現在ほどしっかり定まっていなく、小説の書き方についても現在ほど定まってなかった時代だからこそ、ここまで恐ろしく奔放に書けたのでしょう。 ですから読者は、現在から遠く離れた当時の文学空間を想像することが必要です。そして、その想像力によってこそ作者の創造力をうかがい知ることができるのであり、クジラを語ることを通じてセカイを語ろうとする作者の途方もない企画力をうかがい知ることができるのです。
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