1,800円以上の注文で送料無料

  • 中古
  • 店舗受取可
  • 書籍
  • 書籍

虚数 文学の冒険シリーズ

スタニスワフ・レム(著者), 長谷見一雄(訳者), 沼野充義(訳者), 西成彦(訳者)

定価 ¥2,640

¥1,430 定価より1,210円(45%)おトク

獲得ポイント13P

在庫わずか ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

店舗受取サービス対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!

店舗到着予定

4/2(火)~4/7(日)

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 国書刊行会
発売年月日 1998/02/25
JAN 9784336035936

店舗受取サービス
対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる

店舗到着予定

4/2(火)~4/7(日)

虚数

¥1,430

在庫わずか
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

3.9

18件のお客様レビュー

レビューを投稿

2023/12/12

〈序文〉  情報洪水という見方はもうアップデートしても良い頃合いだと思う。エコロジーそのものが、外的情報の海洋領域と、内的情報の陸地領域のバランスを決定的に変えてしまったとみるべきだ。  この段階では直接情報を自分の五感で摂取しなくとも、食物連鎖による生物濃縮のように、他者や環...

〈序文〉  情報洪水という見方はもうアップデートしても良い頃合いだと思う。エコロジーそのものが、外的情報の海洋領域と、内的情報の陸地領域のバランスを決定的に変えてしまったとみるべきだ。  この段階では直接情報を自分の五感で摂取しなくとも、食物連鎖による生物濃縮のように、他者や環境を通して間接的にどんどん情報を摂取することになっている。もうスマホと閉じても、テレビを消してもしょうがないところまで来ている。  さて、そのなかで内臓音楽なる自然的な創作物を望んでいる著者のスタイルも今では珍しくない。解毒や治癒としての対処療法。そのための文学、芸術。が、そのものがさらにこの情報環境全体に取り込まれていく状況。  パブリックから切り離されたプライベートな領域に置ける、個人的に重要な意味を持つ芸術や文学。孤独から生まれた孤独へと帰っていくような、暗室のなかの灯りのようなもの。  それが序文のための序文、もといメタフィクションであるのかどうかは別として、純粋な虚構性を探しに行こうと旗揚げしたこの序文には、錆びない切れ味が宿っているように感じた。(2023/12/12)

Posted by ブクログ

2018/01/21

未来に出版されるはずの本への序文集――としての 短編小説集というメタフィクショナルな一冊。 「架空の本」の批評ではなく、 この先“書かれるに違いない作品”について 「序文」の形式で前以て概要を語ってしまおうという点が、 ボルヘスと少し異なるが、  > 長大な作品を物するの...

未来に出版されるはずの本への序文集――としての 短編小説集というメタフィクショナルな一冊。 「架空の本」の批評ではなく、 この先“書かれるに違いない作品”について 「序文」の形式で前以て概要を語ってしまおうという点が、 ボルヘスと少し異なるが、  > 長大な作品を物するのは、  > 数分間で語りつくせる着想を  > 五百ページにわたって展開するのは、  > 労のみ多くて功少ない狂気の沙汰である。  > よりましな方法は、  > それらの書物がすでに存在すると見せかけて、  > 要約や注釈を差しだすことだ。 というボルヘス『八岐の園』~「プロローグ」 (岩波文庫『伝奇集』p.12)での《宣言》と、 精神的に相通じる一冊。 本書全体の序文を書いた 梅草甚一(!)なる人物――肩書きは日本挨拶学協会会長――も、  > たとえいい本であったとしても、  > 量があまりに多くなれば、  > それは単なる騒音となり、  > 人は情報の大海に溺れてしまう。【略】  > 本当なら分厚い本をもっといくらでも書けるのに、  > そこをあえて自制して、  > 最小限の形式の書評や序文で  > 〈書くことへの欲望〉を  > 処理したのではないだろうか。(p.2-3) と述べているとおり、 SFからミステリから何から 一通り書き尽くしてしまった碩学の作家が その後に着手したのは、 大きな物語を圧縮する試みという体裁を取った 「一つ上の次元」の著述だったのだろう。 内容は、 特殊な撮影方法による写真集に付された 序文(という体裁のフィクション), アマチュア細菌学者の、 培養基に入れたバクテリアに刺激を与え、 モールス符号で文章を綴らせるという実験の記録, 人の手を介さず、 コンピュータが小説を綴るようになった時代、 そうした作品は「ビット文学」と呼ばれた…… ということで論述される「ビット文学史」。 1970年代に、 AIが小説を書き上げるようになった現代の状況を 透視していた作者レムの「予見」の鋭さに戦慄。 そして、 未来の予測に基づいて記述された(!)項目から成る 百科事典の宣伝パンフレット及び 付録の本体見本ページという構成(=設定)の フィクション。 ラストは「GOLEM XIV」。 これは General Operatior,Longrange,Ethically Stabilized Multimodelling =「長期倫理的安定化マルチモデル汎用オペレータ」略称GOLEM と名付けられたコンピュータ・シリーズが ホワイトハウス附属機関の最高位に就任したり、 陸海軍の最高司令官として指揮を執ったり、 ヒトとは何かを論じた講義を行ったりして、 バージョンアップの度に自我を肥大させていく様子を 描いた作品。 ゴーレム(golem)という語が、 ユダヤ教の伝承に登場する自力で動く泥人形で、 胎児の意であることを思い出すと、 彼が好き放題に振る舞う歪んだ子供のように感じられる。 しかし、彼を作った人物が 命令文を少し書き換えれば元の土塊に戻るはずなのだ…… と思ったものの、どうやら彼はその手を逃れ、 ヤコブの梯子の彼方の宇宙へ遁走したらしい。

Posted by ブクログ

2017/11/30

架空の書物の序文集。ものすごくエキサイティング。特に「GOLEM XIV」は圧巻。進化と言語に纏わる講義はまさに読みたかったテーマでした。これほどスケールの大きな話でありながら単なる法螺やファンタジーとは言わせない圧倒的知識と洞察力。レムの巨大さを改めて実感しました。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品