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寡黙な死骸 みだらな弔い

小川洋子(著者)

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商品詳細

内容紹介 内容:洋菓子屋の午後. 果汁. 老婆J. 眠りの精. 白衣. 心臓の仮縫い. 拷問博物館へようこそ. ギブスを売る人. ベンガル虎の臨終. トマトと満月. 毒草
販売会社/発売会社 実業之日本社/
発売年月日 1998/06/25
JAN 9784408533407

寡黙な死骸 みだらな弔い

¥220

商品レビュー

3.8

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2023/12/10

やはり小川先生の連作短編集はいい。 明るい陽の下にいても包み込めない深い暗闇を抱えている人は、どこにだっている。そんな孤独と冷たい体温を持つ狂人と常人の間を行ったり来たりする人々のひとときを、虚構まみれの現実感と共に舞台に乗せた物語。 「洋菓子屋の午後」冷蔵庫で窒息死した息子...

やはり小川先生の連作短編集はいい。 明るい陽の下にいても包み込めない深い暗闇を抱えている人は、どこにだっている。そんな孤独と冷たい体温を持つ狂人と常人の間を行ったり来たりする人々のひとときを、虚構まみれの現実感と共に舞台に乗せた物語。 「洋菓子屋の午後」冷蔵庫で窒息死した息子への誕生日ケーキを買いに出かけた母親…と、もうこれだけでもう小川洋子過ぎる狂気と幻想で眩暈がする。 「果汁」あのとき零れ落ちなかった感情が、滴る。その果実が山積みのキウイフルーツっていうのがまた…異様で…小川洋子すな…。 「眠りの精」ほんのわずかな時だけを共にした継母が、死んだ。その記憶は、息苦しいほどに穏やかで歪で、優しい手触りをしている。 「白衣」体のパーツが血にまみれずに登場するの、小川洋子だなって思う…。痴情のもつれと、それを傍観する赤の他人である私。 「心臓の仮縫い」収録作で一番小川洋子してる。心臓だけが体の外に飛び出ている女性のための鞄を特注して作った男の、思いの果ては…。ラストの途方もない怖さと、情熱的なはずの行為なのにあまりに冷ややかな空気感も含めて、小川洋子過ぎる。 「拷問博物館へようこそ」〇〇博物館ての、やっぱ小川先生好きなんだな…。 「ギブスを売る人」まさか博物館紳士がこんなに出てくるとは…。しかしこれは一つ の、幸せな最期なのかもしれない。 「ベンガル虎の臨終」どこかでまた、美しい獣がこの世からいなくなったかもしれない。その瞬間を共に過ごせたあなたは、果たしてどうする。 「トマトと満月」独りよがりでも、どう思われようとも、構わない。そんな狂気をごく当たり前に手にすることができたなら。 「毒草」収録作で一番、悲しいおはなし。身勝手でも何でも、会いに来てほしかった。

Posted by ブクログ

2017/08/18

「博士の愛した数式」の作風を想像して読んだら、思いのほかホラーで驚いた。それぞれの短編が少しずつリンクしていて、宝探しするような気分で読み進めることができた。

Posted by ブクログ

2017/02/26

図書館で借りた本。 不思議に話の繋がった短編が11編。 それぞれの繋がりを書き出して読み返したくなる。 ただ、ハムスターとベンガル虎の亡くなる様が心につくささった。

Posted by ブクログ

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