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小説・倫理学講義
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小説・倫理学講義
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小説形式の倫理学入門です。主人公の大学教授のもとに、かつてこの大学院で哲学を学び、現在は刑事になっている清水という男がやってきます。同じ学部の長嶋教授が失踪し、さらに彼が殺されたという通報があったというのです。 その後、主人公のかつての教え子で現在は雑誌記者をしている中田葉子や...
小説形式の倫理学入門です。主人公の大学教授のもとに、かつてこの大学院で哲学を学び、現在は刑事になっている清水という男がやってきます。同じ学部の長嶋教授が失踪し、さらに彼が殺されたという通報があったというのです。 その後、主人公のかつての教え子で現在は雑誌記者をしている中田葉子や、助手の元木などが教授の部屋を訪れ、不倫や民主主義、環境問題といった、倫理学上の諸問題について議論を交わします。 ミステリとしての展開に主人公が絡むというわけではなく、最後は失踪事件の真相が天下り式にもたらされることになるので、小説として読むと拍子抜けに感じてしまうかもしれません。当たりまえといえば当たりまえですが、親しみやすい形式の倫理学の入門書として読むべきでしょう。冨田恭彦が同じような小説形式の哲学入門を刊行していますが、そちらと比べると、本書には大学という場所に対するややシニカルな雰囲気が感じられる印象があります。
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長嶋教授が失踪した事件について、元教え子である事情聴取にくる刑事や、雑誌の記者との対談を通して、理性と感情と行動の関係から、不倫や民主主義、環境といった具体的なトピックまで、古今の哲学者を参照しながら対談する、という内容。 高校の時から実存主義の思想が好きだった。この小説には...
長嶋教授が失踪した事件について、元教え子である事情聴取にくる刑事や、雑誌の記者との対談を通して、理性と感情と行動の関係から、不倫や民主主義、環境といった具体的なトピックまで、古今の哲学者を参照しながら対談する、という内容。 高校の時から実存主義の思想が好きだった。この小説にはよくニーチェの<力への意志>というのがよく出てくる。「われわれは絶えず自己の力の拡大を企てながら生きている」(p.19)というのが好きだった。でもこの小説は結構頭を使って読まなければいけないもので、おれはバカなのでよく分からなかった。 同じ小説の形式のものに『宗教学講義―いったい教授と女生徒のあいだに何が起こったのか(ちくま新書)』があったと思うが、こっちの方が面白かった。功利主義は分かりやすいけど、ニーチェやヒュームの思想をよく理解してないと、ふーん、ふーんって感じで終わってしまって、あまり深く理解できないまま終わってしまい、残念だった。もっと本腰を入れて読むものだった。(14/01/23)
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小説風に倫理学のテーマを持ち出して解説する、「文学部唯野教授の」倫理学版。分かりやすくていいのだが、今では絶版なのかな。
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