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ゲーテの耳
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ゲーテの耳
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著者が自由に思索を展開したエッセイなどの文章を収録しています。 「大航海時代に生まれたかった」というレヴィ=ストロースのことばを紹介する文章からはじまる本書のなかで、トルコやインド、中国などへの旅にまつわるエッセイがとくに印象的だと感じました。著者は、ときに澁澤龍彦を連想させる...
著者が自由に思索を展開したエッセイなどの文章を収録しています。 「大航海時代に生まれたかった」というレヴィ=ストロースのことばを紹介する文章からはじまる本書のなかで、トルコやインド、中国などへの旅にまつわるエッセイがとくに印象的だと感じました。著者は、ときに澁澤龍彦を連想させるような関心を示していますが、博物学的な知が自己自身を食むように思える澁澤のマニアックな知のスタイルとはちがい、領域から領域へと身軽に飛び移っていくところに著者の思索のスタイルが現われているように感じます。 もっとも、ときにソーカルらが批判するような科学的知識の恣意的な解釈に流れるように見えるところもあるので、そうした議論の仕方に批判的な読者にとっては苦々しさを感じるのかもしれませんが、個人的にはおおむねおもしろく読むことができたように思います。
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