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知覚の扉
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知覚の扉
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商品レビュー
3.6
21件のお客様レビュー
ニューエイジやヒッピームーブ花盛りの60年代米国を生きた若者たちが読み、彼らの精神を熱く駆り立てたハクスリー著のメスカリン体験談にして、薬物による効能と宗教における恍惚体験、この二つを結びつけながら、ブレイクやゴッホ、静物画や西洋絵画を引き合いにし、非論理的な超越世界を論じる。 ...
ニューエイジやヒッピームーブ花盛りの60年代米国を生きた若者たちが読み、彼らの精神を熱く駆り立てたハクスリー著のメスカリン体験談にして、薬物による効能と宗教における恍惚体験、この二つを結びつけながら、ブレイクやゴッホ、静物画や西洋絵画を引き合いにし、非論理的な超越世界を論じる。 とても面白かったが、その前に読んだベンヤミン先生の大麻とメスカリンの記録の方が良かった。正直この本のビッグネームに対して拍子抜けした感がある。 ハクスリーがザ・文筆家として社会や文化や芸術など、広範の領域にまで論述を伸ばす「外向き」の文章なら、ベンヤミンは執拗に個人的主観の枠組みから陶酔体験を機械的に記述する、まさに「内向き」の文章で、どちらもエッセイと記録という形式上の差異はあるが、個人的にはドラッグ体験記としてはベンヤミンの方が優れていると思う。 あとベンヤミンの方が友達と一緒にやってる感じが超グッドなんだよな。 ハクスリーは人間の言語にまでその視野を向けているあたりが特に素晴らしく感じた。 理性が脅かされた時代故の神秘体験への憧れと東方ロマンス。
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メスカリンが如何にして人間の知覚に変容をもたらすかをその体験から記された本。 一部、実際に体験しないと分かり得ないであろう内容もあるが、人間が言語と時間などにどれだけ縛られているかなど、自分が未知である事は痛感した。
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- ネタバレ
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著者によるメスカリン体験記。メスカリンにかなり肯定的な論調で、普通に試してみたくなる。 人間は本来、自分の身に起きた事は全て記憶でき、宇宙で起きる全てを知覚できる意識「偏在精神」であるが、生存への適応のために脳や神経系である「減量バルブ」を通して意識の量を少なめに調節している。メスカリンは「減量バルブ」を緩め、人間を本来の姿に近づけるとある。 天才と言われる芸術家は、生来的に「減量バルブ」が緩んでいるため、私たち常人とは物の見方が違うとあり、ゴッホやフェルメールの作品を解説している箇所が興味深い。特にベルニーニの彫刻「聖テレサの法悦」に関し、作家の感受性は人物ではなく衣服の質感に現れている、という捉え方はとても共感する。
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