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クワインと現代アメリカ哲学 SEKAISHISO SEMINAR

冨田恭彦(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 世界思想社/
発売年月日 1994/05/10
JAN 9784790705079

クワインと現代アメリカ哲学

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2011/11/19

クワインの哲学と、その影響を受けたデイヴィドソン、ローティの哲学について解説されている。 本書は3つのパートから構成されており、第1部では、著者がおこなったクワインへのインタヴューが収録されている。議論の中心はデイヴィドソンのいわゆる「第三のドグマ」批判である。第2部5章の「近...

クワインの哲学と、その影響を受けたデイヴィドソン、ローティの哲学について解説されている。 本書は3つのパートから構成されており、第1部では、著者がおこなったクワインへのインタヴューが収録されている。議論の中心はデイヴィドソンのいわゆる「第三のドグマ」批判である。第2部5章の「近位説と遠位説との間」は、このインタビューでのクワインの議論を受けて、あらためてクワインとデイヴィドソンの議論の検討をおこなったものである。 第2部は、クワインの思想を解説した論文が5つ収録されている。デイヴィドソンの「第三のドグマ」批判を取り上げた第5章では、クワインの「概念図式」という言葉をくわしく検討することによってデイヴィドソンの批判が当たらないことを論じている。だが同時に、著者はクワインの近位説的な立場は遠異説的な立場によって補完される必要があると指摘している。体表刺激に基づいて観察文に対する同意・不同意がなされるというクワインの近位説的立場は、個々の話し手に対して観察文を定義するものだ。ところが、フィールド言語学者がインフォーマントの発する言葉についての根本的翻訳をおこなう場面では、間主観的な同意・不同意の一致が要求されるために、遠位説的な観点が不可欠のものとなる。こうした著者の議論は、デイヴィドソンの批判から私たちが何を受け継ぐべきかということを明確にしたということができると思う。 続く第3部では、デイヴィドソンとローティの思想についての解説がおこなわれている。とくに興味深いのは、アーペルに対してローティを擁護した第2章「基礎づけか連帯か」だ。ここで著者はアーペルの論じる討議の超越論的制約に対して、私たちが議論においてさまざまな論法や倫理規範をそれに従うべきものと認めており、現にそれに従っていると言う以上に、「どうしてわざわざ、それらは超歴史的な超越論的制約であると言わなければすまないのか、という問いを繰り返し提起したいと思う」と述べている。ただしアーペルは、超越論的語用論を超歴史的な真理として絶対視しているのではなく、それが間主観的妥当性の可能性の制約として機能することを論じているのであり、まさに彼はその主張を、「妥当性要求」を掲げつつ遂行しているというべきだろう。こうした論点を、本書のような観点から扱うことができるのかという問題は、なおも問題として残されているように思う。

Posted by ブクログ

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