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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 1992/06/23 |
JAN | 9784005002078 |
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ひめゆりの沖縄戦
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ひめゆりの沖縄戦
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4.2
14件のお客様レビュー
生と死が隣り合わせ。あと1秒早く壕を出ていたら、あと数メートル後ろに居たら、目の前の爆発や空から降り注ぐ爆風と破片に四肢をもぎ取られ、頭を吹き飛ばされ、お腹から臓物を飛び散らし無惨に失われていく命。それでもなお、爆発でできた穴に横たわり、流れてくる雨水とも血とも解らない水分を啜り...
生と死が隣り合わせ。あと1秒早く壕を出ていたら、あと数メートル後ろに居たら、目の前の爆発や空から降り注ぐ爆風と破片に四肢をもぎ取られ、頭を吹き飛ばされ、お腹から臓物を飛び散らし無惨に失われていく命。それでもなお、爆発でできた穴に横たわり、流れてくる雨水とも血とも解らない水分を啜り、這いつくばって生を求める女学生。正にこの世の終わり、生き地獄が最も相応しい表現だった時間。今私たちは平和な世の中に凡そ銃声すら生涯聞くことのない様な世界に暮らしている。少し転んでかすり傷で泣いていた幼い自分さえも覚えているくらい、子供だった自分には激しい痛みの記憶として残る。 間も無く沖縄戦の終結6月23日を迎える。このタイミングでひめゆりの記憶を辿っていくのは、今を生きる人々の一つの使命ではないかと感じる。なぜ今日本が平和を謳歌し、食べ物にも困らない生活を送れているのか。なぜ海外で起こっている紛争を他人事の様に、別世界の問題として片付けられるのか。戦後70年以上経過し、当時を知る人語れる人も大分少なくなってしまった。ただ間違いなく、そこには今の私たちと同年代の人間も、お年寄りも子供も、そして本書の語り部たる女学生たちが居た。今の私たちからは想像もできない地獄を彷徨い、ほんの数センチ横に忍び寄る死の影とともに生きていた。 沖縄中央部に上陸した米軍、圧倒的な兵力と物量で難なく(少しでも時間を稼ぐため、沖縄守備隊は水際作戦を選ばず長期持久戦を選んでいた)上陸を果たし北に南にそれぞれ攻め入る。迎え打つ帝国陸軍第32軍の兵力は11万と、この数字は上陸したアメリカ軍50万以上に対して1/5以下だ。各地に地下要塞を築いて徹底抗戦に出るが、圧倒的な兵力差は如何ともし難く、日本は沖縄に住む14歳以上の学生も動員した総力戦を挑む。結果は火を見るより明らかだが、皇国日本の勝利を信じて止まない学生たち。それでも徐々に追い詰められ、自決の道を選ぶ者も多くいた。 当時、既に政府内でも沖縄戦以前から早めの降伏を望む声もあったが、少しでも有利な状況に持ち込もうと続けてしまった事で、より多くの犠牲者に繋がる。そこからは沖縄、広島、長崎の無辜の市民の死につながった事は誰もが知る歴史の事実だ。後世歴史家はこの沖縄の徹底抗戦があったからこそ、本土上陸作戦をアメリカに躊躇させる事が出来たという評価もある。然し乍ら、そこに生きた人々からすれば、ただ生きたい、死にたくない、家族と平和に暮らしたいとの気持ちが1番だったに違いない。ただ生きるという当たり前の事すら困難な状況で次々と散っていった命。 沖縄には「命どぅ宝」という言葉がある。生きてさえいれば良い事があるじゃないか、という意味の言葉の重さが深く胸に刻まれる。 戦後生き延びる事が出来たひめゆりたちも、なぜ私だけ生き残ってしまったのかという悲しみを背負いながら生きる。だからこそ二度と戦争を起こさないように後世への語り部の道を選ぶ者も多い。また教員になる者も多くいたようだ。二度と同じ目に合わせたくない、その強い気持ちが平和教育へと繋がっていく。沖縄をそうした目的で訪れる学生も多いが、ガマや慰霊地を訪れてもその様な事実も知らず友と笑い合って通り過ぎていくこと、実はそれこそが平和の証なのかも知れない。知る事は重要だ。語り継ぐべきだし教訓としなければならない。しかしそこから最も遠い場所で、戦争をドラマや映画の中の非現実なものと捉えられる事は、それだけの犠牲の上に成り立った今という時代に残る一つの光とも取れる。 世界を見ればまだまだ戦争が各地で起こっている。世界中のすべての人が戦争の惨禍を理解し、決して起こしてはならないと強く望まなけれはならない。もう二度とひめゆりの様な悲しい想いをさせない為に。涙が止まらない。
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終戦直後、遺族の保護者らに責められ、生き残ってしまったこと、また自分たちが信じていた教育が全く間違っていて、自分の全てを否定されたように感じ、学徒隊であったことを後ろめたく感じているというところが最も印象的でした。 日米の戦争ではなく沖縄県と日本軍の戦いだった沖縄戦。住民を巻...
終戦直後、遺族の保護者らに責められ、生き残ってしまったこと、また自分たちが信じていた教育が全く間違っていて、自分の全てを否定されたように感じ、学徒隊であったことを後ろめたく感じているというところが最も印象的でした。 日米の戦争ではなく沖縄県と日本軍の戦いだった沖縄戦。住民を巻き込んだ唯一の地上戦として、様々な定量的データを用いながら当時の教育、社会体制を解説されています。 戦争体験は生々しく、大きなインパクトを与えますが、感情だけではなく客観的に経緯、構造として沖縄戦を理解し、同じような悲劇を防ぐという作者の意図が強く感じられます。
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一瞬一瞬の行動が、生死を分けた沖縄戦。 何の罪もなく、ただただ生きたいと思いながら亡くなっていった県民。 学生と呼ばれる世代の女性が〝ひめゆり〟として、負傷した兵士の治療をしていた。ノミが体中から溢れる兵士を。臭い思いをしながら、ひたすら。 ガマの外に一歩でも出れば、砲丸に当...
一瞬一瞬の行動が、生死を分けた沖縄戦。 何の罪もなく、ただただ生きたいと思いながら亡くなっていった県民。 学生と呼ばれる世代の女性が〝ひめゆり〟として、負傷した兵士の治療をしていた。ノミが体中から溢れる兵士を。臭い思いをしながら、ひたすら。 ガマの外に一歩でも出れば、砲丸に当たる危険がある中、生き延びる為に食糧を取りに行き、水を汲んでいた。 昨日まで笑いあっていた友人も、自分の目の前で、息を引き取る。 ひめゆりを経験した本人が書いた本だからこそ、読者にも伝わるほど生々しく書かれており、戦争の恐ろしさ、命の尊さ、平和であることの大切さを改めて感じた。 平和であることは当たり前でなくてはならないし、平和であることは、幸せであることを、もっと強く捉える必要があると分かった。
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