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立志・苦学・出世 受験生の社会史 講談社現代新書1038
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1991/02/20 |
JAN | 9784061490383 |
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立志・苦学・出世
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商品レビュー
2.9
9件のお客様レビュー
受験現象の時代区分は3つに分かれるとの事だが、特徴的な視点は明治30年代半ばから昭和40年代までの70年間は変化がないとし、戦前戦後で分けていないという事である。ここはあえてそう唱えているのだろうが、男女平等や民主化といった事を無視するのはやや大雑把には思えるものの、総じて興味深...
受験現象の時代区分は3つに分かれるとの事だが、特徴的な視点は明治30年代半ばから昭和40年代までの70年間は変化がないとし、戦前戦後で分けていないという事である。ここはあえてそう唱えているのだろうが、男女平等や民主化といった事を無視するのはやや大雑把には思えるものの、総じて興味深い内容ではある。 著者の時代区分は以下のようになっている。 ・30年代半ばまでの旧士族中心の「前受験時代」 ・30年代半ばから昭和40年代までの民衆の中核的エトス(生活倫理)である努力・勤勉に価値を置く「受験のモダン」 ・それ以降の偏差値導入による相対化とゲーム化の「受験の脱モダン」であり、学歴資本だけではどうにもならず、経済資本や社会資本が重要視されるようになったとする。 30年前の本なので、内容的に少々古さを感じる所があり記述にも同意しかねる部分がなくはない。特に終盤の記述はポストモダンの影響を受けているのか、社会学・歴史学を逸脱して記述がかなり観念的になっている。 その後の教育社会学においては格差問題がクローズアップされて、経済資本や社会資本が学歴資本に影響を与えるようになってきているという指摘がある。という意味においては、30年前のバブル崩壊前の著者の指摘は当たらずも遠からずといった印象もあり、先見の明があると言えなくもない。 昨年は大臣の「身の丈」があり、受験制度改革が話題となっている。また、コロナによる9月入学といった話もでている。偏差値導入から50年が経過し、高校・大学全入時代を向かえて、受験(生)の社会史は新たな展開になりつつあるのかもしれない。
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明治以降の「受験」を取り巻く社会的環境の変遷を、歴史的にたどった本です。 福沢諭吉の『学問のすすめ』やスマイルズの『西国立志編』の影響のもとに、勉強を通じての立身出世という物語が広く語られるようになったことや、合格をめざす勤勉や努力と華やかな都市生活への憧れとが表裏となって結び...
明治以降の「受験」を取り巻く社会的環境の変遷を、歴史的にたどった本です。 福沢諭吉の『学問のすすめ』やスマイルズの『西国立志編』の影響のもとに、勉強を通じての立身出世という物語が広く語られるようになったことや、合格をめざす勤勉や努力と華やかな都市生活への憧れとが表裏となって結びついていたという指摘などがなされています。 また、豊かな社会の到来によって学歴エリートをめざすというエートスがしだいに色あせていったことや、受験が「地獄」や「刻苦勉励」といった言葉で語られるものから「ゲーム」や「要領」といった言葉で語られるものに変化したことを、ポストモダン社会と結びつけて論じています。 ふたたび教育格差が問題視されるようになっている現代の状況からは少し離れた議論に終始していますが、私たちがそれなりに苦労してくぐり抜けてきたあの受験とはいったい何だったのかということを、歴史的な視野の中で見なおすことができるという意味で、おもしろく読めました。
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妻が以前読んだのか、自宅にの本棚にあったので何気なく読み進めたが面白くて読んでしまった。受験生がどの時代にどのように誕生したのか、当時の資料の受験生のエピソードも交えながら具体的な記述があり大変興味深い。さらにそれを教育社会学的な視点から分析しており、受験熱への加熱が歴史的にど...
妻が以前読んだのか、自宅にの本棚にあったので何気なく読み進めたが面白くて読んでしまった。受験生がどの時代にどのように誕生したのか、当時の資料の受験生のエピソードも交えながら具体的な記述があり大変興味深い。さらにそれを教育社会学的な視点から分析しており、受験熱への加熱が歴史的にどのように醸成されていったのか、またそれが逆にどのように冷却する機能をもっていったのか、という言及も詳細である。学生の頃よりも教育職についた今だからこそ実体験と比較しながら読むことができ、大変有意義だった。
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