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源実朝 ちくま文庫

吉本隆明(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 1990/01/31
JAN 9784480023766

源実朝

¥825

商品レビュー

3.5

4件のお客様レビュー

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2010/05/28

悲運の将軍であり傑出…

悲運の将軍であり傑出した詩人であった実朝。常に死の瞬間を思い描いたその心情と詩的思想を説く評論です。

文庫OFF

2020/11/05

吉本隆明 「源実朝」 実朝論 時代の宗教観や政治背景を共同幻想性に求めている点は 「またか」と思うこともあるが、制度の象徴としての実朝像や歌の解釈は とても面白かった。 歌や歌人としての評価というより、実朝の置かれた立場から 歌を解釈している 将軍としての自分が、必要だか...

吉本隆明 「源実朝」 実朝論 時代の宗教観や政治背景を共同幻想性に求めている点は 「またか」と思うこともあるが、制度の象徴としての実朝像や歌の解釈は とても面白かった。 歌や歌人としての評価というより、実朝の置かれた立場から 歌を解釈している 将軍としての自分が、必要だから存在するのでなく、不必要なのに存在しているわけでもなく、ただ制度として存在している実朝の境地は 凄まじさを感じた

Posted by ブクログ

2013/06/02

平安末期から鎌倉時代にかけては『袋草紙』『古来風体抄』『毎月抄』など歌学書・歌論書がたくさん現れた時期で、これはとりもなおさず、当代のかれら自身にとってももう和歌というのが一体何なのかがよくわからなくなりつつあったからだ。内裏は焼け、律令政治は形骸化し、貴族たちは平安時代をすでに...

平安末期から鎌倉時代にかけては『袋草紙』『古来風体抄』『毎月抄』など歌学書・歌論書がたくさん現れた時期で、これはとりもなおさず、当代のかれら自身にとってももう和歌というのが一体何なのかがよくわからなくなりつつあったからだ。内裏は焼け、律令政治は形骸化し、貴族たちは平安時代をすでに失われた理想的規範としてしか見ることができなくなっていた。貴族達にとってそうした規範的過去を生きる手段のひとつが和歌に打ちこむことで、歌作と和歌文化を維持することは自分たちの生きる規範的世界を維持するのに必要なことだった。 当時すでに在京の貴族たちにとっても『古今集』の和歌は研究しなければなじめない、親しみがたい「外部」の存在になりつつあった。それより古い『万葉集』はもってのほかだ。だとすれば、貴族文化とはまったく異質の、血なまぐさい東国武門の惣領制度のなかに育った実朝にとってとなると、その距離は測りがたいほどの隔たりといってもよかった。だから、実朝の人生固有の悲劇性ということを抜きにして考えれば、かれと和歌との距離はじつは現代のわれわれと和歌とのあいだに横たわる断絶の距離によく似ている。 吉本は「文庫版によせて」のあとがきで実朝の歌作について「本歌取りというよりも、『万葉集』と『古今集』の任意の気に入った歌から、上句と下句を自由につなぎあわせて、新しい歌にするといった、パズル遊びのように思えるときがある」と書いている。これは現在のわれわれが古今調の和歌(短歌ではなく)を作ろうとするときにまず陥らざるをえない体験だ(僕はやってみたことがあるのでわかる)。実朝の『万葉集』読解をたどる吉本のやりかたは具体的で、百人一首に入る「世の中は」の歌についても、この少年歌人が『万葉集』のどの箇所を読んでいるときにいかにして生まれたのかまで生々しく想像している。こういうのを見ると、あるいは実朝あたりから定家、後鳥羽院と逆順に辿っていくことによってしか、われわれは『古今集』の世界の理解へとたどり着くことができないのかもしれないな、とも思う。 歌人実朝だけでなく、和歌とはなんであったかを考えるうえで欠かせない考察のある本。

Posted by ブクログ

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